言語聴覚士に就職する方法。言葉のリハビリを行う専門職の仕事内容とは?

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言葉が喋れなくなる言語障害は、事故による脳の損傷や聴覚障害、発達の遅れなどさまざまな原因で起こります。
言語障害に苦しみ雨患者の数は100万人以上と言われており、その人たちの言葉のリハビリを行うのが言語聴覚士の仕事です。

言語障害のリハビリは回復や改善が目に見えにくく、患者さんの不安やストレスが募りやすいデリケートなリハビリです。言語聴覚士は、そんな不安を抱えている患者さんに時には優しく、時には厳しく粘り強く付き合って、能力の回復・改善をサポートしなければいけません。

近年、資格職ゆえに安定しているということで就職市場や転職市場で人気の医療職ですが、その仕事内容はとても大変で、志の低い人では務まらない仕事だということを知らない人が多いです。
しかしながら、仕事は大変でも「言語障害で困っている人を助ける」という社会的意義の強い仕事なので、人を助けたいという強い意志のある人にはぜひオススメです。

今回は医療系資格職の中でも「言語のリハビリ」に携わる、言語聴覚士の仕事内容と言語聴覚士になる方法を紹介します。


発音に必要な口のトレーニングを担当

病院に勤務しているリハビリ専門の医療職というと、身体機能の回復をサポートする理学療法士や日常生活に必要な作業をサポートする作業療法士などが有名ですね。
しかし、言語機能の訓練を行う言語聴覚士は、世間ではあまり知られていないようです。

言語障害のある人は、言葉が喋れなかったり、うまく発音できない状態です。
特に脳の障害で口の筋肉が動かしにくくなっている人は、まず発音をするために口の筋肉をトレーニングする必要が有ります。
そのため、言語聴覚士の仕事の一つとして、患者さんの口の筋肉トレーニングをサポートというものがあります。

手のひらをぐーぱーして、口の開閉を繰り返したり、腹式呼吸の練習をして発音に必要な腹筋や肺の使い方をトレーニングします。毎日、マンツーマンで患者さんの発音に必要な筋肉を鍛えるトレーニングをサポートします。仕事内容だけ見てみると、ジムのインストラクターに似ていますね。
しかし、患者さんは言葉が喋れなくなるという重大な問題を抱えています。そのため、患者さんのストレスや負担は大きく、患者さんへの気遣いやメンタルケアが重要です。

また、患者さんによってどのレベルでの言語障害を患っているのか異なります。例えば、言語の意味は理解できるけれど、イメージを言葉にできない換語困難レベルの人には、イメージと言葉を結びつける訓練を行わなければいけません。

換語困難レベルの人に行う訓練は、カードを使ってイメージと言葉の連想を結びつけるというものが代表的です。
患者さんが「海」というキーワードが書かれたカードを選んだら、その後、「海」のカードを隠して「さかな」「波」「砂浜」といった「海」に関連するワードを見せます。
そのワードを見て「海」という言葉を口から発する、といった流れの訓練になります。

このような患者に合わせた専門的なトレーニングを1日40分〜60分行います。言語聴覚士一人につき7〜10人の患者さんを担当することが多く、訓練日が重なっているときはとても忙しいです。

言語聴覚士の労働時間は?

1日の労働時間は、患者さんの数や病院にもよりますが、9時から17時まで患者さんの訓練、以降はカルテの整理や打ち合わせ、翌日の準備などで残業をすることが多く、退勤時間は20時前後になります。
なお、訓練は日中に行われるので夜勤はありません。

年収は勤務先の病院によって異なりますが、民間病院の場合は初任給21万円、年収300万円前後からスタートして、勤続年数やポジションによって上昇します。
国公立の病院に公務員として務める場合は、公務員の給料表にあわせて年収が決定します。こちらも、スタート時は年収300万からが多いようです。

言語聴覚士の1日の仕事の大半は患者さんのトレーニングをすることです。トレーニング後はカルテ作成などがあるので、必然的に17時以降の残業はさけられない病院が多いです。

やりがいは患者さんの言葉が増えること

こうしてみると、毎日7人以上の患者さんを訓練するのですから、言語聴覚士というのは、とても大変な仕事ですね。
しかし、担当している患者さんの発する言葉が増えたり、回復の傾向が見られたとき、仕事のやりがいを感じられます。訓練開始当初は何も喋れなかった人でも、訓練を続けていくうちに喋れる単語、量が増えていくと、言語聴覚士として患者さんの役に立てている、と実感できます。

言語聴覚士になると、自分より年上の患者さんの、人生の一部を預かることになります。言葉を喋れるようになれるか否かは、言語聴覚士の肩にかかっているのです。
責任重大の仕事ですが、言葉をうまく喋れないという患者さんの苦しみを救うという、社会的意義の大きな仕事なので「人の役に立ちたい」と思っている人にはぴったりの仕事です。

回復した患者さんからお礼の手紙などを貰ったときは、この仕事をやっていていてよかったなと思います。

言語聴覚士に就職する方法

言語聴覚士になるには、大学の医学部や医療系の短大、専門学校に学び、言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
この試験の合格率は6割で、病理学や解剖学など言語聴覚士に必要な医学知識をしっかり勉強しておかなければ合格することはできません。
言語聴覚士は医療系の仕事ですから、医者レベルとはいわなくとも、基本的な医学知識が必要不可欠です。勉強が苦手な人や、志の低い人は勉強についていけず学校を中退してしまうことも多いそうです。

主に職場は民間病院、または国立病院になります。国立病院に務める場合は、別途、公務員試験を受ける必要があります。
資格職なので、就職活動は一般職ほど苦労はしません。しかし、待遇は病院によって異なるので注意が必要です。

ブラック企業ならぬブラック病院に要注意

残念なことに、言語聴覚士の人員を削減して、少ない言語聴覚士に過酷な労働を強いるブラック病院も存在します。
実際に、私の友人で1日12時間労働、休日なしの勤務を2ヶ月も強要され、倒れてしまった言語聴覚士の方がいます。残念ながら、病院という場でも、一部の悪質な経営者はブラック労働を強いているのが現状です。

もし、そういった労働法に反しているブラック病院に務めてしまったら、早めに転職をすることをおすすめします。
また、就職の際はブラック病院を選ばないためにも、しっかり応募する病院の待遇をリサーチするべきです。

言語聴覚士を辞めたい、転職したいという方は下記の記事を参考にして、転職エージェントを利用して上手に転職をしましょう。www.hazimetetensyoku.com

言語聴覚士に向いている人

・人と接することが好き
・誰かの役に立ちたいという奉仕の心を持っている
・年収300万〜400万でも資格職で安定した仕事がしたい
・夜勤のない仕事が良い
・医療やリハビリに興味がある
・勉強が得意、好き

言語聴覚士は患者さんとのコミュニケーションが仕事の大半を占めています。
そのため、人と接することが好きな人でないと務まらないでしょう。また、医療の仕事なので、まさに人の役に立つ仕事です。奉仕の心を持っている人ほど、この仕事にやりがいを感じられるでしょう。
年収は300万から400万と、看護師(年収500万前後)に比べると少し低めです。
そのかわり、夜勤がないので肉体的には楽です。

言語聴覚士を含め医療職は就職後も勉強を続けなければいけません。どうすれば言語障害の治りが早くなるのか、毎日、患者さんとの訓練やコミュニケーションを通じて学んでいかなければいけません。
国家試験に合格するためにも、仕事を続けていくためにも、勉強からは逃れられません。そのため、勉強することが苦でない、学習意欲の高い人が向いているでしょう。




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