高齢者の車の事故が多いけれど高齢者ほど生活に車が必要というジレンマ。免許証制限は実質不可能

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 高齢者の交通事故が増えている。
 高速道路での逆走や、アクセルとブレーキを踏み間違えての事故など、高齢者による死者が出てもおかしくない運転ミスが後を絶たない。
 高齢者の免許証を制限する、80歳以上は免許証返還を義務化するなどの対策案が出ているが、それは非現実的だ。

 というのも、高齢者ほど車が必要になってくるのである。

 高齢者は公共交通機関の割引や無料パスを受けられるが、それでも買い物や孫の送り迎えなど、車を必要とする場面は多い。
 特に共働き家庭が増えている現代では、送り迎えを高齢者の祖母や祖父が担当することが多い。
 こればかりは代替が出来ず、女性の活躍を政策に掲げ共働き家庭を増やそうとする社会の動きと矛盾してしまっている。


高齢者と車のジレンマ

 車社会である田舎は、当然、高齢者の免許所持率が高い。
 公共交通機関の頻度が都会に比べて少なく、必然的に自分で車を動かさなければならない。そのため、車を持たない、持ちたくない高齢者は都市部に集まる。

 実際、都市部であれば車の所持は必要ないといえる。東京では駐車場の料金が月額6万円にもなり、裕福層以外では車を持たない人の方が多い。

 そうなると、何が起こるのか。
 高齢者の都市部への移動が起こり、結果として都市部の住宅を高齢者と若年齢層が取り合うことになるのだ。住宅需要は人口と共に年々減っているという話があるが、前述の理由も絡み都市部は未だに需要が大きい。
 高齢者の運転免許証を制限すれば、この傾向はさらに大きくなるだろう。高齢者ほど利便性を求めるし、二階建ての年金がある余裕のある層ならば都内に部屋を借りるのも難しくない。
 
 高齢者の車の免許証規制にはさまざまなジレンマが含んでいるのだ。

 定年退職後も仕事をすることを政府は推奨しているが、配送を含む業務であれば、車の免許がなければ働きたくても働けない。

 また、規制するにしても年齢で一律規制するのか、運転不可の定義はどうするのか、など難しい点も多い。

若者も他人事ではない。被害者になる可能性は必ずある

 ある日、突然、車が歩道に突っ込んできたらあなたは避けられるだろうか?
 車は走る凶器とも言われている。どんな非力な人間が運転していても、車には殺傷能力がある。

 高齢者の免許規制問題は、これから最大の高齢化社会を迎えるにあたって、高齢者だけでなく若者も考えなければならない大きな課題なのである。
 解決策としては、自動車の技術開発、自動運転や自動ブレーキシステムの向上などを期待したい。




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