30代後半での女性の貧困は東京都内だけで起こる。最低賃金が高くても都内に住むメリットは無い

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女性の貧困はしばしば週刊誌やニュースで取り上げられている。
取り上げられている女性はだいたい35歳前後の、いわゆる派遣で年齢を理由に契約切りされた層である。彼女達は独身を貫くお一人様だったり、バツイチだったり様々な理由で頼れる人がおらず、貧困にあえいでいるという。

彼女達は生活保護を受けたり、ナイトワークで何とか稼いでいるが、それも年齢次第で勤められなくなるだろう、とのことだ。

しかし、私はこのニュースにいささか疑問を抱いた。
この日本で、それほどまでにお一人様の女性の貧困が広がっているのだろうか?

この種の貧困が発生しているのは東京都内だけではないか、と勘ぐっている。


東京都内で貧困が起こるメゾット

東京都は日本の首都であり、仕事と人口が最も集中している都市である。
仕事の需要と最低賃金は高いが、同時に家賃などの出費もかさむ。物価はほどほどだが、家賃はワンルームでも6万以上と、大阪と比べると2万円近く家賃が高くなっている。

「東京はアルバイトでも時給1000円以上なんでしょ?
それなら家賃が高くても稼げるのでは」

という風に解釈するのが、地方都市に住んでいる人の一般的な意見だろう。

 しかし、この仕事の需要がたくさんある、という言葉には罠がある。

時給の高い事務の派遣業などは倍率が高く、30代後半になると年齢で弾かれやすくなってしまう。なぜなら、同じ枠に20代の若い女性がどんどん応募してくるのだ。事務職などのデスクワークは倍率は高く、30代になると派遣やバイトでもコネ無しでは採用が厳しくなる。

都内の仕事がたくさんあるという言葉の本当の意味は、転職市場において評価されている層からすればよりどりみどりだが、特別なスキルを持たない転職者にとっては転職氷河地帯となっているのだ。

手取り11万では生活出来ない厳しい現状

時給1000円で週5日、1日6時間働いたとしよう。
日給6000円×20日で、月給は12万円だ。そこから国民健康保険や国民年金保険料などの税金を引くと、手取りは10万程度になる。
ここから家賃6万円を引くと、残りは4万円。光熱費や食費を考えると、とても生活出来る収入ではないことがよく分かる。
さらにアルバイトだと有給休暇もなかなか取れず、休んだ分だけ収入がひかれるため、病気になった時の保証は無く、子持ちの女性であれば子供の世話など、とても出来ない。

貯金も出来ないし、そうなると引越し費用も出せなくなる。
家賃の安い部屋に移動しようにも、女性であれば防犯の不安もある。こうして、出費が多い都内では、あっという間にキャッシュ・フローが完全に低い地位で安定してしまう貧困スパイラルに陥るのだ。

 都内で生活するには、最低でも月給15万円は必要だ。

週6日、夜勤労働など労働時間を増やせば月給15万~20万は稼げるかもしれない。しかし、30代後半の女性が出来る単純労働は限られている。男性のように寮付きの工場でガッツリ稼ぐ、といった一時的な無理がなかなか効かないのが現状だ。

さらに、週6日働いて金銭的にカツカツだと、体力的にも精神的にも惨めになりやすい。

地方都市や関西ならどうか

地方都市や関西に行くと、家賃は2万円近く相場が下がる。田舎であれば車社会なので自動車の維持費などがかかってくるが、大阪や名古屋、各地方の主要都市であれば車無しでも生活できる。

時給は800円~850円前後まで下がるだろう。しかし、実は収入が下がるよりも出費を下げたほうが貧困は防ぎやすい。出費は固定費であり、そうそう変わらないが、非正規雇用での労働の場合は収入の変動が起こりやすく、収入に依存した生活スタイルはリスクが高いのだ。

非正規雇用者の適正家賃は3万円

家賃は収入の3分の1と言われているが、それは正規雇用者の場合であり、非正規雇用であれば四分の一くらいにおさめないとリスクが高い。
非正規雇用での労働による収入が月給12万と仮定すれば、家賃6万円は総収入の半分になってしまう。3万円であれば四分の一で適正家賃ではあるが、実際問題、家賃3万円となると、都内はもちろん、関西や地方都市でもまともなところは見つけにくい。

県民住宅か町営住宅であれば家賃3万円は可能だ。しかし、いわゆる市営住宅は低収入の家族持ちや高齢者でうめつくされ、貧困に苦しむ30代後半の女性が入ろうというのはなかなか難しい。
議員のコネがあれば相談することは出来るが、空手で抽選に申し込んでも、当選するかどうかは運次第だ。

貧困から脱出するにはリスクを減らすしかない

それでも、貧困から抜け出すには、市営住宅の抽選に申し込んだり、役所に相談すべきである。出来る限り固定出費を減らし、リスクが大きいキャッシュ・フローを改善しなければ未来はない。

そのためには、都内を離れるという選択肢を考えるべきだ。
実家に帰れる人であれば、一度、実家に帰り戦略を考える。訳あって田舎に帰れないのであれば、関西や家賃の安い場所への移動を考える。

地方の時給の低さの問題は、アルバイト+在宅ワークを駆使すれば改善出来る。
在宅ワークは、特別なスキルが無くてもブログ記事のライティングなど初心者でも出来る仕事がある。単価は1記事200円~300円で、時給は600円~700円だが、シフトに左右されることもなく執筆速度が上がれば地方にいながら時給1000円以上まで伸ばすことが出来る。

在宅ワークは斡旋している管理会社から仕事を請け負えば、ちゃんとした企業の仕事を受けることができて、初心者でもトラブル無く仕事が出来る。

また、電話で男性の愚痴や話を聞くテレフォンレディのアルバイトも、在宅ワークながら時給3000円以上稼げるオススメの副業だ。
ただ、テレフォンレディのバイトはカウンセリングのスキルとして話し方、相づちの打ち方などが求められるので、稼ぐにはコツが必要だ。

詳しくは下記の記事を参考にして下さい。

・お金がない緊急時に短期間でお金を稼ぐ方法(女性向け・在宅ワーク編

派遣から正社員を目指すなら、こちらの体験談とノウハウ記事がおすすめです。

・20代派遣社員の女性が正社員への就職を決めた理由と方法。体験談から学ぶ貧困女子脱出のノウハウとは?

考え方を変えなければ貧困からは抜け出せない

月20万くらい簡単に稼げる、という思い込みが、そもそもの間違いである。
現代の日本で、何の武器も持たず月20万の稼ぎを得るのは非常に難しくなってきている。

女性であれば化粧品やビジネスカジュアルの服など、男性よりも日用品にお金がかかるだろう。
そのため、節約というと化粧品や日用品、食費を削る方に視線が行きやすいが、これから生活していく都市を考えるということも必要だ。

都内に友達がいるから離れたくない、というのも理解出来る。
しかし、東京都は未だに地価・人口が上昇しており、低収入層にはハイリスク・ハイリターンの都市になりつつある。

収入が低いことが、不幸を感じる原因というのは間違いで、収入と出費の収支バランスが崩れると人は不幸だと感じやすいのである。

固定費を減らすという観念で考えていかなければ、貧困は終わらない。
貧困に苦しむ30代後半の女性は、東京に住んでいるつもりでも東京に搾取されていることに気付かなければならない。







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