通関士に就職する方法と通関士の仕事内容について。貿易に関わる仕事は超忙しい

日本は海外からたくさんの物を輸入しています。
食料品から家具、家電、服にスマートフォン、あらゆるものが外国から「輸入品」として運ばれてきます。
しかし、海外の製品を日本に輸入するときには、関税という税金がかかります。そのため、税関の許可がなければ輸出入はできません。

通関士とは、輸出入の許可をとるための書類を作る職業を指します。
どんな品物を輸出入するのか? 関税はいくらか? 法律に触れるものではないか? といったことを一つ一つチェックして書類を作成します。

今回は、通関士の仕事内容や待遇(年収や労働時間)通関士に就職する方法を教えます。


通関士は1日100件も複雑な書類をさばく

通関士が働く会社の通関課には、1日100件以上の依頼が届きます。通関士は品物を一つ一つチェックして、書類を作成し、税関職員の許可を得ています。
通関士が作成する「輸入申告書」は、品名、数量、原産地など20項目以上書かなければいけません。いちばん重要なのが税番と呼ばれる項目で、輸入品にかかる関税を示す項目です。

輸入品にかかる関税は品物ごとに1類から97類に分けられており、さらにそこから細かくわかれ全部で9000以上の税番が存在します。
通関士は商品をチェックして正しい税番を導き出さなければいけません。
ここでミスをしてしまうと、脱税や損失を与えてしまうことになるので、慎重に選ばなければいけません。一つの書類を作るだけでも相当な労力がかかるのに、これが1日100件以上くるのですから、通関士はとても忙しい仕事だということがわかります。

あらゆる商品知識が必要

通関士にとって大切なのは商品知識です。
例えば、ドアの部品や鍋の素材なども税番では細かく分類されているため、これらの品名がわからないと仕事が遅れてしまいます。
そのため、通関士の人は買い物に出かけると、あらゆる商品をチェックして品名や原産地、原料を頭に叩き込みます。入社したての頃は、品物の分別が出来ず苦労するでしょう。

通関士のもとには輸入業者や運送業者からひっきりなしに確認の電話が鳴り響きます。企業も納期がありますから、輸入品がきちんと税関を通過したかどうかが気掛かりなのです。
さらに通関士は書類提出や検査のために、何度も税関に行かなければいけませんから、まさに1分単位でスケジュールがびっしり埋まっている多忙な仕事です。

しかし、輸入品は多くの人の暮らしを支えるなくてはならないもの。
貿易の最前線で働く通関士は、責任とやりがいのある仕事と言えます。また毎日あらゆる商品と出会うので、好奇心が強い人には向いているといえるでしょう。

通関士に就職する方法

通関士になるには、通関士試験という国家試験に合格する必要があります。
試験合格後、通関業者に就職すると「通関士確認通知書」が送られてきて、はれて通関士として国に認められます。

通関士の国家試験は毎年1回、10月に行われます。
受験資格に制限はなく、年齢、学歴問わず誰でも受けることができます。
しかし、合格率は10数%と低く、難しい試験になっています。

通関士の年収や労働時間

通関士の年収は資格職だけあって、300万〜800万と昇進した時の上げ幅が大きく、ベテランになれば高給取りになれます。
しかし、覚えるべき知識や経験が膨大ですから、就職した後もたいへんな努力が必要になります。

労働時間は朝9時から夜20時と長時間労働になることが多く、資格職としては忙しい部類に入ります。
労働時間が長く、忙しいぶん高給な仕事なので、体力がありバリバリ働きたい人向けの仕事といえるでしょう。また責任も重いので「日本の貿易を支えるぞ」という強い使命感がないと、通関士として働き続けるのは難しいでしょう。







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