夫婦共有名義でのマイホーム共同購入における罠。共働き夫婦の住宅ローン破綻リスクとは?

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共働きが珍しいものではなくなった現代日本。
マイホームを購入するときも、夫婦の収入を合算して住宅ローンを借りるケースが多くなりました。

しかし、夫婦で共同購入すると夫と妻のどちらかが連帯債務者になってしまい、住宅ローンが払えなくなった時、つまりローンが破綻した時に共倒れになる可能性が出てきます。

今回は「夫婦共働き」の家庭に多い共同購入による住宅ローンのリスクについて解説します。


連帯保証人と同じくらい責任の重い連帯債務者

「親友の頼みでも連帯保証人にだけはなるな」

というのは、よく聞く話で、ドラマなどでもしばしば連帯保証人は悲惨な末路をたどるのが相場となっています。

しかし、連帯債務者という言葉は耳にしたことが無い方が多いと思います。連帯債務者とは、主責務者と一緒に責務を背負う人を指します。夫婦での共同購入であれば、貸し手である金融機関は夫と妻、両方から債権回収をすることが出来ます。

この連帯債務者という制度は夫婦共同購入の他にも親子リレーローンなどでも使用されており、特に共同購入する際に金融機関が勧めてくる可能性が高いです。

例えば、妻が頭金を出し、夫が住宅ローンを支払う契約で住宅ローンを組んだ時、共有名義での購入になるため、金融機関が妻を連帯債務者とする契約書を仕込んでくるパターンが多いです。法律的には、共同購入時に必ず連帯債務者にならなければいけないということはありません。
しかし、金融機関としては貸し倒れは防ぎたいもの。そのため、連帯債務者にさせる契約書を出してくることが多いのです。

連帯債務者であれば住宅ローン控除を夫婦それぞれに適用できて節税出来る、というメリットがありますが、その裏では膨大なリスクを背負うことになりますし、住宅ローンが焦げ付いた時に、夫婦揃って逃げ道を塞がれることにもなります。

例えば、収入合算して住宅ローンを組み、マイホームを共同購入した夫婦が離婚したとしても、連帯債務者である限り、両方に支払いの義務が存在します。例えば妻が家に居座り夫が出て行くという形で決着したのに、妻がローン支払いを滞った場合は夫にも取り立てがきます。

 離婚しても請求がついて回って来るなんて、恐ろしいと思いませんか?
住宅ローン一つで、人生を棒に振る可能性が出てくるのです。

さらに連帯責務は相続の対象になっているため、相続放棄をしない限り、借金は親から子へと引き継がれてしまいます。

夫婦共同でマイホームを買う際は、連帯債務者という言葉の重みをしっかり理解しておくことが大切です。

また、パートナーが連帯債務者であれば住宅ローンが焦げ付いた時に夫が「自己破産」をしても妻にも請求が及ぶことになり、夫婦で自己破産しなければいけなくなります。連帯債務者になっていなければ、夫のみが自己破産することで、夫婦共々破産というリスクを回避出来ます。

自己破産による借金の踏み倒しは最悪の状況に陥った時に行う最後の手段です。
しかし、連帯債務者になっていなければ、夫婦どちらかの信用情報はホワイトなままなので、リスクを一つ減らす事ができます。

共働き夫婦による収入合算での住宅ローン、共同購入は今さかんに押し出されています。しかし、子育てによる離職や夫のリストラ、あげくのはてに離婚といった人生の最悪のイベントを想定しておかないと、共同購入した物件が悪魔になって人生を狂わせにくる事があります。

住宅購入は人生最大の買い物であり、買う時は希望よりも絶望、つまり最悪の事態を常に想定してセーフティーネットを貼っておかなければいけません。

「まさか、こんなはずでは……」
と嘆くようなことになる前に、住宅ローンのリスクをしっかりと把握して判断していきましょう。







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